- レカンフラワーについて, レカンフラワーの作り方, 花で起業について
- アントシアニン, カーネーション, ガーベラ, キク, コーティング, コスモス, テーマ, ひまわり, ヒヤシンス, 押し花, 緑色の花, 色が変わる, 花の乾燥方法, 花選び, 薔薇, 赤色の花, 額, 黄色の花

お庭で咲いたバラやチューリップ。
誕生日や記念日にいただいた花束。
結婚式で手にした大切なブーケ。
「このお花をずっと手元に残したい」――そんな気持ちを叶えてくれるのが、レカンフラワーです。
レカンフラワーは、特殊な方法でお花を乾燥させて、その瞬間の美しさを閉じ込めるフラワーアート。色や形をできるだけ生花のままに残すことができるので、「立体的な押し花」と呼ばれることもあります。
この記事では、初心者の方でも分かりやすいように、レカンフラワーに使える 8つの乾燥方法 をやさしく解説していきます。
それぞれのお花に合った方法を知っておくと、失敗なく綺麗に仕上げられますよ。
Contents
レカンフラワーとは?
レカンフラワーの「レカン」は、フランス語で「宝石箱」という意味があります。
その名前の通り、まるで宝石のように花の美しさを長く楽しめるのが魅力です。
花は「芽が出て、葉が育ち、つぼみが膨らみ、咲き、散っていく」という成長のサイクルを持っています。レカンフラワーでは、その一瞬一瞬を乾燥によって切り取り、思い出や感動をそのまま残せるのです。
「押し花」や「ドライフラワー」との大きな違いは、立体感や鮮やかな色合いを残せること。だからこそ結婚式ブーケの保存や、記念日ギフトとしても人気があります。
レカンフラワーの乾燥方法8種類
ここからは、代表的な乾燥方法を8つご紹介します。お花の種類や仕上げたい雰囲気に合わせて、ぴったりの方法を選んでみてくださいね。
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リアル乾燥
一番ポピュラーで、初心者におすすめの方法です。
「ジュエルサンドパウダー」という専用の砂にお花を埋めて水分を抜いていきます。花びらの間に丁寧にパウダーを入れることで、シワができず、咲いたままの様な形を保ったまま乾燥できます。
仕上がりは、生花より少し濃い色合いになりますが、ふっくらした立体感をそのまま残せます。 -
リキッド乾燥(アルコール乾燥)
花のもつ水分をアルコール置換させて作る乾燥方法です。
繊細な仕上がりになります。生花のような瑞々しい透明感を出すことができます。
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波紋乾燥
花びらの表面に独特の模様(波紋)が浮かび上がる乾燥方法です。
少し変化のある表情を出したいときに選ばれる方法です。冬場はそのまま生花を置いていても乾燥出来ます。個性的なアート作品作りに向いています。
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自然乾燥
風通しのよい場所にお花を吊るして乾かす、ドライフラワーを作る昔ながらの方法です。
コストはかかりませんが、色がくすみやすいのがデメリット。最終乾燥には、タッパーに強力乾燥剤を入れて最終乾燥させましょう。
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シリカゲル乾燥
乾燥剤としてよく知られている「シリカゲル」を使った方法です。
花を密閉容器に入れてシリカゲルで水分を吸収させると、短期間でパリッと乾きます。
ただし、花びらが薄い種類は壊れやすいので注意が必要です。
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サンドイッチドライ(押し花)
レカンフラワーでは、立体作品の一部として押し花を取り入れることもあります。
壊れやすい小花は押し花にすることで、強度も強くなりレカンフラワー作品に使いやすくなります。
レカンフラワーで押し花を作るには、サンドイッチドライを使用しましょう。押し花でつくるのに向いている花は押し花で作ります。デザインするときに向きや方向を気を付けて立体的にデザインします。
レースフラワー、忘れな草、バーベナ、アジアンタム、ソリダコ、かすみ草 他
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常温サンドドライ
温度や湿度をコントロールせず、常温で砂を使って乾燥させる方法です。
バラやチューリップ、ラナンキュラスなど、多くの花に向いています。初心者がまず試すなら、この方法が失敗しにくくおすすめです。
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コーティングを併用した乾燥法
花びらが薄い花や壊れやすい花は、そのままだと乾燥途中で割れてしまうことも。
そんなときは「ナチュラルコート」や「ウォーターボンド」と呼ばれる専用コーティング剤を塗って補強してから乾燥させます。
記念のお花など「絶対に残したい!」というときに安心の方法です。
乾燥後に変わる花色について
「乾燥させたら、花の色が変わってしまった…」そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか?
実は、花の色素には種類があり、それぞれ乾燥後に変化しやすい特徴があります。
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黄色や緑 → 紫外線の影響で色が抜けやすい
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赤や青 → 「アントシアニン」という色素が変化し、青黒くなることがある
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白 → クリーム色に変化することが多い
変色を防ぐために「黄花処理」や「赤花処理」といった専用の下処理をしておくと、綺麗な色を保ちやすくなります。
レカンフラワーに向いている花・向いていない花
向いている花
薔薇、チューリップ、ひまわり、ムギセンノウ、さくら、ヤグルマギク、ユーチャリス、ラクスパー、ラナンキュラス、ラベンダー、デンファレ、リモニウム、リューカデンドロン、リューココルネ、リンドウ、ルピナス、ルリタマアザミ、カンガルーポー、レオノチス・レオヌルス、ローダンセ、アガパンサス、マリーゴールド、いちご、ポピー、ベロニカ、ベルペロネ、フリージア、ブルースター、ホワイトスター、カーネーション、フランネルフラワー、パンジー、ビオラ、紫陽花、バイモ、トルコギキョウ、デルフィニウム、椿、千日紅、金魚草、スターチス、ストロベリーキャンドル、ストック、スイートピー、水仙、シュウメイギク、芍薬、サンダーソニア、ケイトウ、クレマチス、クルクマ、クリスマスローズ、グリーンベル、グラジオラス、キンセンカ、カラー、ガーベラ、オダマキ、エリンジウム、アネモネ、アストランチア、アゲラタム、アイリス、他
唐辛子、ビバーナム、ヒペリカム、稲、麦、アイビー、ルスカス、オリズルラン、ギボウシ、コキア、シロタエ菊、スマイラックス、スモークグラス、トクサ、ドラセナ、ゴッドセフィアナ、ナルコユリ、ハラン、ピットスポルム、ヒバ、フトイ、ブプレウルム、ベアグラス、ヘリクリサム、ユーカリ、利休草、リリオぺ、レザーファン、レモンリーフ、ロホミルタス、ワイヤープランツ、ブルニア、バーゼリア、他
しっかりした花びらの花や葉は美しく残しやすいです。
注意が必要な花
桜やガーベラなど花びらが薄い花は、取り扱いに注意が必要です。壊れやすいですが、コーティングをすれば可能です。
取り出し、保管、作業する際にも気を付けましょう。記念のお花などどうしても乾燥して残したい時ありますよね。ぜひチャレンジしてくださいね。
ネリネ、フランネルフラワー、ニゲラ、ヒヤシンス、アサガオ、アルストロメリア、彼岸花、リコリス、リナリア 、アスチルベ、アリウム、イブニングスター、エレムルス、オーニソガラム、トラノオ、オミナエシ、カスミソウ、カンガルーポー、ギリア、クサレダマ、クジャクソウ、クリスマスブッシュ、ケマンソウ、ライラック、コデマリ、サポナリア、サワギキョウ、シオン、シラー、ジンジャー、スモークツリー、ソリダコ、ツルバキア、ビバーナム、ピンクッション、ブローディア、ブルビネラ、ベロニカ、ボロニア、ミモザアカシア、ミヤコワスレ、ムスカリ、ユーコミス、ユーフォルビア、ユキヤナギ、ライスフラワー、ライラック、ワレモコウ、アワ、ラグラス、アルケミラモリス、アスパラガス、ミリオクラダス、レースフラワー、他
向いていない花
多肉植物や水分の多い果物系、プルメリアなどは乾燥に不向きです。別の保存方法を検討したほうがよいでしょう。
皮の柔らかい実・割れやすい実・プルメリア・多肉植物:セダム・ポトスなど・ハーブ系ゼラニウム、トーチジンジャー、スグリ、水分の多い果物、他
結婚式ブーケをレカンフラワーで残す方法
一生に一度の大切なウェディングブーケ。
そのまま置いておくと数日でしおれてしまいますが、レカンフラワーにすれば、何十年も思い出を形にして残せます。
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ブーケの花材に合った乾燥方法を選ぶ
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色変化を防ぐための処理をしておく
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完成後は密封フレームやガラスドームに入れて保存
この3つを守れば、失敗をぐっと減らせます。
花の乾燥後に見られる花色の変化
赤色の花は赤い色素(アントシアニン)を含んでいるため、乾燥させると青黒く変色するものがあります。黒っぽくなってしまった花は赤花処理をすることで、元の色に近く戻すことができます。
また「黄色」と「緑色」は色が変わりやすいです。
どちらも、紫外線の影響で色が抜けます、その為、事前に「黄花処理」「緑補色処理」という科学の力で色素を変化させて変色を防ぐことができます。乾燥させてすぐは色が変わっていなくても、変わると予想されるお花には処理をしておくと、密封してからの色の変化の差が歴然です。
乾燥後に変わる色の変化の一覧
□ 白色は、クリーム色になります。
□ 赤色は、濃く(黒っぽく)仕上がる傾向があります。
□ ピンク色は、色が濃く仕上がる傾向があります。
□ 青色は、色が濃く(青黒く)仕上がる傾向があります。
□ 紫色は、色が濃く(青黒く)仕上がる傾向があります。
□ 黄色は、生花時より色が若干濃くなりますが、他の花色に比べて、時間の経過とともに退色する傾向があります。
□ オレンジ色は、生花時より色が若干濃くなりますが、他の花色に比べて、時間の経過とともに退色する傾向があります。
□ 緑(葉)は、時間の経過とともに、退色する傾向があります。
胡蝶蘭をレカンフラワーのする方法
まとめ|初心者でも大切な花を美しく残せる
レカンフラワーは難しそうに見えて、実は方法を知れば初心者でも楽しめます。
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リアル乾燥や常温サンドドライから始めると安心
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花の色変化を知って、事前処理で対策
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大切なブーケや記念日のお花は、コーティングで補強
お花の種類や状態に合わせて方法を選ぶことで、思い出のお花をずっと手元に残すことができます。
「枯れてしまうから…」とあきらめていたお花も、レカンフラワーにすれば一生の宝物に。
ぜひ、あなたのお花でもチャレンジしてみてくださいね。
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